愛犬のトイレトレーニングはなにに気をつけて教えればいいの?

こんにちは。ドッグスクールKANEKOです。

愛犬の「トイレのお悩み」は多く、個体差が大きいしつけという事はご存じの方も多い気がします。

確かに個体差もありますが、「生活環境」と「生活習慣」が大きく影響しやすい事をご存知でない方が意外と多いので、トイレトレーニングをするための環境づくりと生活習慣について書いていこうと思います。

以前のトイレトレーニングについての記事もぜひご覧下さい。

(トイレコントロールについて) 愛犬のトイレトレーニングってなにをどこまで教えればいいの?

 

はじめに

トイレトレーニングは、愛犬に「トイレを教える事」ですが、スクールでは「決められた時間に指定のトイレで排泄する事」と定義しています。

ライフスタイルはご家庭によって色々あると思いますが、トイレが上手くできない場合はまずは生活環境や生活習慣の見直しをしてみて下さい。

 

トイレと寝床

犬は「自分の寝床は汚さない」習性があります。

元々、薄暗く狭い穴ぐらを寝床にしていたため、寝床の空間は綺麗に保ち、トイレは別の場所に排泄しに行く生活をしていました。

この習性を上手く活かし、「トイレと寝床を別にする(分ける)」とトイレトレーニングは成功しやすいです。

一般的に、トイレが上手くいかない時は「愛犬が過ごす場所やクレート(ハウス)のサイズを大きくすればいい」と思うかもしれませんが、それが意外な盲点になる場合があります。

例えば、愛犬用に大きめのクレートやサークルなどで囲ったスペースの中に「トイレ」を置いてあるとします。

その大きいスペース全体が愛犬にとって「寝床」の認識だと、「寝床の中」で排泄する認識になるため、トイレトレーニングが上手くいかない可能性があるからです。

 

生活環境

最近は室内の場合、ケージレス・大きめのクレート・クレートなどでの飼育が主流な気がします。

それぞれの環境での愛犬のトイレの認識の一例を書いてみます。

ケージレス

リビングなど、「愛犬が行動できる空間全て」が「寝床」という認識になる場合があります。

薄暗く狭い寝床に比べ、広過ぎてしまい、寝床以外での排泄が困難なため「寝床の中」での排泄をする事になります。

人の指定したトイレが囲いのないタイプだと余計に「トイレ」の認識が難しく、愛犬が好きな場所で排泄したり、やむを得ずメインの寝床であるリビング以外(廊下など)に排泄したりする場合があります。

大きめのクレート

リビングなどに「愛犬のスペース」として大きめのクレートや広めに囲った空間を設置している方が増えている気がします。

ネット通販などでも大きめのクレートや広く囲えるサークルなどがよく見られるため、需要もあるんだと思います。

愛犬の行動範囲を制限している部分ではいいのですが、寝床とトイレが同じスペースにある事が多いため、「寝床の中」で排泄する事になります。

ケージレス同様、「トイレ」の認識が難しい場合があります。

クレート

クレートの大きさによって、トイレと一緒の場合と、トイレと別の場合があります。

クレート内にトイレが一緒にあると「寝床の中」で排泄する事になり、トイレが別だと「寝床の外」で排泄する事ができます。

 

生活習慣

なによりもまず、身につけて欲しいのは、生活習慣です。

「指定のトイレで排泄する事」も、もちろん大事ですが、それ以前に「綺麗な環境を保つ事」「愛犬自身や寝床が汚れる事に慣れさせない事」を優先して欲しいです。

トイレトレーニングでは、「寝床を汚さない」習性を上手く活かしたいため、「寝床や愛犬自身が汚れない事」が「当たり前」になって欲しいです。

寝床や愛犬自身が汚れる事を愛犬が気にしてくれれば、「寝床を汚さないように」トイレの時間まで我慢したり、次のトイレまでに「念のため」排泄しておこうと予防的な排泄をしたり、愛犬自身が気をつけて生活するようになります。

愛犬が汚れる事や、排泄物と同じ空間にいる事に慣れてしまうと「汚れる事」が愛犬にとってデメリットにならないため、「決められた時間」や「指定のトイレ」で排泄する事よりも「愛犬が排泄したい時」に「排泄したい場所」で排泄するようになり、寝床を汚す事になんの抵抗もなくなりやすいです。

 

環境づくり

トイレと寝床を分けた環境、配置をするとトイレを覚えやすいと思います。

区切りのない広い空間の中に寝床とトイレを置くのではなく、寝床はクレート(ハウス)を使用し、トイレはサークル(囲い)を使用するなど、愛犬が「別空間」と認識しやすいように分けるといいと思います。

スクールでは、寝床はハウス(バリケン)、トイレは指定のサークル(囲い)と決めています。

基本的にはハウスで静かに過ごす練習をし、「トイレの時間」にハウスからトイレ(サークル)に出し、排泄を促します。

 

トイレトレーニングにかかる時間

かなり個体差があるため、「ほとんど時間や手間がかからなかった」という方がいれば、「すごく大変だった」「あまりにできなくて断念した」という方もいるかもしれません。

個人的な感覚の話ですが、トイレトレーニングにかかる時間は、愛犬の「綺麗好き」具合、膀胱など身体の発達具合に加え、家族に迎える前後からの「環境」にもよると思います。

ブリーダーによっては「新しい家族が困らないように」とトイレトレーニングの土台づくりをしてくれるところもあるようです。

愛犬を迎えようと思ったら「トイレについて」現状どうなっているか、親やきょうだい犬のトイレはどういう様子なのかなどもブリーダーや販売スタッフの方に聞いてみてもいいと思います。

 

トイレトレーニングの一例

環境づくり(トイレと寝床を分ける事)ができたら、トイレで排泄する練習をしていきます。

排泄は無理矢理させるものではないので、トイレで排泄できない時は排泄するまで待ちます。

おしっこやうんちのサインも個体差があるため、「そろそろするかな?」というサインを見逃さないのもポイントだと思います。

右往左往する、ぐるぐる回る、普段鳴かないのに鳴く、普段飛びつかないのにサークルに飛び付くなどのサインや、

食後、運動後など、生活習慣で特定の事をした後に排泄しやすい場合もあります。

おしっこ前も色んなアクションがありますが、うんち前も個性的な動き(うんちダンスと呼んでいます)をするので、よく観察しているとトイレトレーニングをする楽しさがあるかもしれません。

 

さいごに

トイレトレーニングのコツは3つあり、

1つ目は、「トイレ」と「寝床」を「分ける」事、

2つ目は、「愛犬自身や寝床」を「綺麗に保つ」事、

3つ目は、「トイレで排泄する事」の成功体験を増やし、「寝床(ハウス)で漏らさない事」で失敗の経験を減らす事です。

トイレトレーニングは時間がかかり、根気がいる場合があります。

愛犬を迎える際は愛犬と過ごす時間を作れるかだけではなく、愛犬に必要なしつけ(トイレトレーニング含む)をする時間が作れるかどうかもよく考えてみて下さい。

トイレは早く教えた方がいいしつけのひとつです。

上手くいかない時や、トイレトレーニングのしつけをご依頼をご希望の場合は、早めにご連絡、ご相談いただければと思います。