愛犬ひとりじゃ可哀想?多頭飼育するタイミングは?

こんにちは。ドッグスクールKANEKOです。

愛犬と生活している方の中には多頭飼育をしている方もいると思います。

今は愛犬ひとりだけだけど、「次の仔」を迎えたいと思っている方もいると思います。

次の愛犬を迎える際にどんな事に気をつければいいのか、迎える準備や時期について書いていこうと思います。

※多頭飼育を推奨するものではなく、多頭飼育する際の事前準備について書いていきます

 

はじめに

多頭飼育をする場合、単純に愛犬の数に「+2」「+3」すればいいと思いがちですが、色んな事が足し算ではなく、掛け算の負担で必要になる事が多いです。

愛犬がたくさんいればいい事もたくさんありますが、大変な事もたくさんあります。

いい部分だけ想像するのではなく、「最も大変な状況」を想定して、「それでも大丈夫」と準備万端かどうかをご家庭内でよく相談して下さい。

以下、文中では、先に飼育している愛犬を「先住犬」と表記します。

 

多頭飼育のために準備する事

基本的には以前書いた記事を参考にして下さい。

(関連記事) 愛犬を迎える前ってどんな準備があるの?

愛犬が増えると、費用の面、しつけの面、毎日の世話やお手入れの面などで想像以上に大変と感じる方もいます。

例えば、費用の面では、愛犬を分割で購入したから月々愛犬に使える金額を捻出するのが厳しいとか、

しつけの面では、次の仔を迎えると先住犬が「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になる」から自然と大人しくなると思ったけど、そんな事はなくて大変だとか、

毎日のお散歩はお互いが好き勝手に動くからとても大変だとか、理想と現実の差があり過ぎる方もいるようです。

大前提ですが、「次の仔」の前に、まずは今目の前にいる仔のしつけをしっかりしてあげる事が大事だと思います。

犬は群れで生活する習性がある動物なので、良くも悪くも先住犬に「右ならえ」をする事が多いです。

先住犬がご家族とのルールをよく守って生活していると、新しい仔も自然とルールを守ろうとしやすいです。

逆に、先住犬が自分の思い通りに自由に生活していると、新しい仔も自分の好きなように生活しようとするため、ご家族やルールを無視して犬達だけでやりたい放題になる可能性が高いです。

次の仔を意識すると、いつ、どんな犬種、性別の仔にしようかとワクワクしがちですが、まずは目の前の仔との関係性や関わり方の見直しをお願いします。

 

家族に迎えるタイミング

同じタイミングや短い間隔で複数頭飼うのはおすすめしません。

まずは愛犬(ひとり目)のしつけやお世話をして、愛犬がさらに増えても生活が成り立つかどうかを検証する時間が必要だと思います。

費用に余裕があると、しつけをスクールにご依頼いただいたり、ペットシッターに世話を頼んだり、選択肢が増えますが、時間がない方は愛犬を迎えない方がいいです。

スクールにご依頼されても最終的には「愛犬とご家族との練習」が必要になるため、忙しく一緒に練習する時間もない方は「プロのいう事はきくけどご家族のいう事はきかない」状態になりやすいです。

 

 新しい仔のタイプ

犬にも相性があるため、先住犬の仔の性格やタイプに合わせて次の仔を探した方がいいと思います。

なので、先住犬が単体飼育の方が向いている性質の場合、次の仔は考え直した方がいいと思います。

次の仔の犬種・性別・性格をよく考え、お迎え先(ブリーダーやショップなど)で現在の先住犬の性格などをお話しして相性の良さそうな仔のアドバイスをしてもらう事をおすすめします。

 

 年齢差

先住犬との年齢差はよく考えて下さい。

スクールでは、犬同士の年齢差とトレーニングの仕上がりの時期を考慮して新しい仔を迎えるようにしています。

特にパピーと介護が重ならないように、高齢犬がいる時はその仔を優先して新しい仔は迎えないようにしています。

看板犬達はわが家の大切な愛犬ですが、仕事のパートナーでもあり、頑張ってくれた感謝の気持ちを最期まで持ちたいと思っています。

年齢を重ねると、いつ急に体調が悪化するか、旅立つ準備を始めてしまうかわからないので、元気な時に次の世代を育てる準備を始めるようにしています。

 

先住犬との関係性

「次の仔を迎えよう」と思っている方は今の仔が「いい仔」だから次の仔も迎えようと思う方が多いかもしれません。

多頭飼育だけでなく、亡くなった愛犬の後に迎える仔にも共通するのですが、次の仔は「先住犬や亡くなった仔とは違う事」をよく理解して下さい。

いい意味で比べたり、それぞれの違いを明確にする事はいいのですが、「前の仔(先住犬)はこうじゃなかった」と新しい仔を否定的な目でみてしまうのはよくないです。

同じ犬種や性別でも「別個体」です。

人で例えるなら「同じ犬種 = 同じ人種 = 日本人」という程度の共通点です。

親が同じきょうだいでも性格や個性が違うため、「日本人」という括りでは違いがたくさんあって当然だと思います。

付き合った彼氏や彼女に「元カレ(元カノ)はこうだったのに」と言われて嫌だと思いますが、愛犬に対して「前の仔はもっといい仔だった」思ってしまうなら、次の仔は迎えない方が新しい仔にとってもご家族にとってもいいと思います。

 

しつけと介護のタイミング

同じタイミングや短い期間で愛犬を複数迎えた場合、しつけの大変な時期や介護の時期が重なりやすいため、費用面や通院などのお世話で愛犬に割く時間がよりかかる可能性があります。

同じ犬種や平均寿命が近い犬種の場合、同じようなタイミングや一緒に旅立っていなくなってしまう可能性もあります。

愛犬はいつまでも若く元気な訳ではないため、いつ病気になるか怪我をしてしまうかわからない部分があります。

計画的に次の仔を迎えても全てが予定通りではないと思いますが、平均寿命や持病の有無などを参考にしつつ、必要な時に必要な事をしてあげられる余裕があるかどうかをよく考えて下さい。

 

さいごに

「多頭飼いに憧れがある」「たくさんの愛犬に囲まれて生活したい」という方は一定数いますが、現実的に可能かどうか、よく考え、見切り発車はしないようにお願いします。

「次の仔」を迎える前に先住犬のしつけをある程度しておく事、ご家族との関係性を築いておく事、先住犬と次の仔を比べすぎない事、片方にだけ愛情を注ぐなど偏りのない事を意識して生活して欲しいと思います。

これからクリスマスや年末年始でセールがあり、愛犬を迎えようとする方が増えやすい時期になると思います。

よく考えた上でお迎えするのはいいですが、衝動飼いはしないように気をつけていただきたいです。