こんにちは。ドッグスクールKANEKOです。
愛犬を迎えると「お散歩をしなければいけない」とお散歩に義務感や使命感を持つ方が少なくないです。
お散歩は適度に行ければいいですが、雨の日も風の日も暑い日も寒い日も、そしてご家族の体調が悪い日も「無理」をしてまで行く必要はないケースもあります。
はじめに
お散歩は「愛犬との生活のひとつ」ではあると思いますが、「お散歩をしない = 飼い主失格」の烙印を押されるかのように「しなければいけない事」と必死になる事もないと思います。
もちろん運動不足は愛犬の健康によくないため、お散歩へ行かない日はお散歩代わりの運動をした方がいい場合もありますが、「お散歩に行かない方がいい」ケースもあります。
お散歩をしないとダメなの?
各ご家庭での「お散歩の目的」によると思います。
例えば運動が目的ならお散歩以外で運動ができているならお散歩は不要だし、ただ「運動するだけ」でいいならドッグランなどで走り回ったり、広い公園などでロングリードをつけて走ったり遊んだりした方が運動量は増えると思います。
また愛犬のしつけができていない状態でむやみに行動範囲を広げると、引っ張る、落ち着きがない、拾い食い、マーキングなど「お困りの行動」のきっかけを作ったり、事故やトラブルに巻き込まれたり、最悪命の危険から愛犬を守れない可能性もあります。
お散歩には愛犬もご家族も「事前の準備」が必要です。
(お散歩デビューについて) 愛犬のお散歩デビュー、準備はできてる?
事前準備がないお散歩は、自動車の「仮免前の路上運転」と同等で、「なにをしたらいいかわからない」とルールもマナーも守れずに事故を起こしたり、きっかけを作ったり、巻き込まれたりするイメージを持っていただければと思います。
お困りの行動は散歩をしないから?
吠える、噛む、落ち着きがないなどのお困りの行動に対して「お散歩が足りていないから」「愛犬が疲れるまで散歩をしなければいけない」と言う方が一部でいますが、それは吠えない、噛まない、落ち着くようにする「根本的な解決」ではなく、ただ「疲れて」できなくする、頻度を減らすだけなので、本質的な部分では何も変わりません。
上記の場合、愛犬が怪我や病気で散歩に行けない時はずっと吠えたり噛んだり落ち着かない状態を放置する事になり得るため、「お散歩で疲れさせる」はお困りの行動の改善や軽減にはベストではないと思います。
お散歩に適さない状態
お散歩は行った方がいいケースもあれば「行かない方がいい」ケースもあります。
一例を書いてみます。
しつけができていない
しつけができていない、お散歩の準備不足だと愛犬に「よくない経験」をさせ続けてしまう可能性があります。
しつけはゼロの状態から「して欲しい事」「して欲しくない事」を教えていく流れがベストですが、「やればできるだろう」と闇雲にチャレンジさせ続ける方もいます。
それでも成功するパターンもありますが、失敗した時のリスクを考えると事前に準備をしてからお散歩デビューをする方が確実だと思います。
万が一、お散歩でトラウマができると克服するのにかなりの時間や労力(練習)が必要になるケースがあり、ご家族も愛犬もお散歩が億劫になる可能性があります。
暑い日
気温が高い期間が長く、酷暑日も多いですが、短頭種や毛が密集している犬種は特に暑さが苦手です。
「お散歩に行かなきゃ!」と無理してお散歩に行き、熱中症になったり足裏の火傷をさせてしまったりする可能性があります。
熱中症は人と同様に症状が重いと愛犬は命の危険があり、命の危険と天秤にかけてまでお散歩に行く必要はないと個人的には思います。
運動不足が気になるなら涼しい室内で運動したり、日光不足が気になるなら短時間だけ日光浴をしたりすればいいと思うからです。
炎天下のお散歩中でも川やプールなどで水に浸かればいいと思われるかも知れませんが、犬は身体の構造的に人以上に熱を発散できません。
子供が通う小学校では、水泳の授業でも外気温が高い日は水温との温度差から熱中症リスクが高まるとしてプールに入らない日があります。
スクールでは、安心安全に愛犬をお預かりする上で、夏季のお散歩は無理に行きません。
ご自宅や室内でもできる運動を練習したり、お散歩ができる秋に向けて丁寧に歩く練習などをしたりして過ごしています。
雨の日
雨の日にカッパを着てお散歩に行くのは悪くはないですが、雨の日でもお散歩に「行きたい」のか「行かなきゃいけない」のかでは状況が変わると思います。
「外じゃないと排泄しない」から「どんな時でもお散歩に行かなきゃいけない」というお話を聞きますが、室内や敷地内のトイレで排泄できるように練習をした方がいいと思います。
(トイレトレーニングについて) 愛犬のトイレトレーニングはなにに気をつけて教えればいいの?
体調が悪い時
愛犬の怪我、体調不良、術後など、安静が必要な時は、かかりつけ医から指導があると思いますが、愛犬はもちろん、ご家族の体調が悪い時も無理してお散歩に行く必要はないと思います。
例えば愛犬の体調不良が感染症の場合、お散歩中に挨拶をした相手に感染させてしまったり、排泄物から感染させてしまったりする可能性があります。
愛犬自身も体調が悪いとお散歩を楽しめなかったり、状態を悪化させたりする可能性もあるため、お散歩は控えた方がいいと思います。
ご家族が体調不良の場合、愛犬は「いつも通り」にお散歩へ行きたいと催促するかもしれませんが、体調が万全ではない時は「今日はお散歩に行かない日」でいいと思います。
体調が悪い中、無理をしてお散歩へ行くと「いつもなら大丈夫」な事が大丈夫ではなく、トラブルや事故に発展してしまう可能性があり、ご自身も愛犬も安心安全にお散歩に行けない可能性があるからです。
お散歩に行けない時はどうしたらいいの?
お散歩へ行けない時は愛犬が運動不足になったり、気分が落ち込んだりする可能性があります。
今年の夏も暑かったですが、無理してお散歩へ行き、熱中症になったり、足裏を火傷したり、体調不良になりに行く必要はないと思います。
スクールでは室内でも適度に運動ができるように、基本的なトレーニングをしながら、ご家族とも一緒に遊べる方法を教えています。
さいごに
お散歩は「絶対に行かなければいけない」訳ではありません。
事前に準備をして、愛犬もご家族も自信を持ってお散歩へ行けるようにするのがベストだと思います。
「トイレのため」のお散歩はお困りの行動を誘発したり強化したりする可能性があるため、おすすめしません。
「なんのためにお散歩をするか」をよく考えるきっかけのひとつにしていただければと思います。
愛犬とのお散歩を見直していただき、なにかお困りでしたら、お気軽にお問合せ下さい。